失業保険の受給期間が残っている間に再就職した場合に限り、ハローワークから再就職手当金を受け取る事が出来ます。
本記事では、 再就職手当の受給方法等を解説していきます。
再就職手当とは 再就職手当の条件
失業保険の受給期間が全受給期間の1/3以上残っており、1年を越える雇用が見込まれる場合(1年未満の契約社員、短期派遣社員は不可)か、独立して新たに事業を始めた場合が対象となります。
上記以外にも、以下の項目を満たしている事が、再就職手当を受けとる為の条件となります。
・失業保険受給手続き後、7日間の待機期間が終了してからの再就職であること
・再就職した先の企業が雇用保険に加入している
・過去3年以内に再就職手当の受給を受けていない
・失業保険の受給資格が決定する前に、再就職先への採用や内定が決まっていない
・離職した企業への再就職では無い
・自己都合退職による給付制限がある場合は、待機期間終了後(失業保険の受給開始から)1ヶ月間での再就職先については、ハローワークの紹介した勤務先であること
(受給開始から1ヶ月以降の再就職については、ハローワーク以外の求人案件でも受給可能)
再就職手当の受給金額と上限額
再就職手当として支給される額ですが、これは失業保険の残り日数によって異なります。
● 失業保険の受給期間が2/3以上残っている場合
失業保険の日額 × 失業保険の残日数 × 70%
● 失業保険の受給期間が1/3以上残っている場合
失業保険の日額 × 失業保険の残日数 × 60%
上記の金額を、再就職手当として受けとる事が可能となります。
※ 上記金額について、残日数2/3→ 60%、残日数1/3→ 50%と表記しているサイトもありますが、2017年1月より手当の額が上昇し、上記した70%、60%が現在の支払額となっています
なお、同金額には退職時の満年齢によって、下記の通り支払額の上限が設けられています。
退職時点の満年齢 | 基本手当の上限額 |
60歳未満 | 5,805円 |
60歳以上65歳未満 | 4,707円 |
金額面のみを見ると、失業保険を全額受け取るより減少しますが、のんびり就職活動を行い、良い再就職先が見つからず慌てるより、受給期間中に理想の就職先へ再就職出来たのであれば、それに越した事はありません。
(元来、失業保険は求職活動を支援する為の保険ですのでお忘れ無く)
なお、これまで65歳以上は雇用保険への加入が行えないため、各種支給の対象外となっていましたが、2017年より65歳以上でも雇用保険への加入が可能となりました。
これに伴い65歳以上での再就職については、「高年齢求職者給付金」といった制度が設けられました。
再就職手当の手続きと受給方法
再就職手当の手続きについては、規定書類をハローワークへ提出する事で行えます。
同手続きの期限は、再就職した日の翌日から1ヶ月以内となっており、
・再就職手当支給申請書(ハローワークよりダウンロード出来ます)
・雇用保険受給資格証
上記2つを一緒にハローワークへ提出すれば完了と完了となります。
続いて再就職手当が支払われるまでの流れについてです。
再就職から約1ヶ月後に、ハローワークから再就職先への在籍確認が行われます。
同確認で問題がなければ在籍支給手続きに入り、支給手続きから約1週間~10日前後で入金が行われます。
(支払いは、再就職手当支給申請書に記載した口座へ振り込まれます)
なお、失業保険と異なり、再就職手当は一時金として、支給予定の全額が一括にて入金されます。
一時金は再就職手当だけじゃない? 就業促進定着手当とは?
再就職により、前職より給与が下がった方に限り、「就業促進定着手当」という給付制度があります。
同手当は、再就職先で6カ月以上の勤務実績があり、かつ再就職先での給与が前職よりも下がった場合に限り支給される給付金となります。
就業促進定着手当を受けとるにも条件があり、以下の項目を満たす事が必要となります。
1.再就職手当の支給を受けていること
2.再就職の日から6か月以上、同じ職場で雇用保険の被保険者として雇用されていること
(自身で起業した場合などは、雇用保険に加入できませんので、就業促進定着手当の対象外となります)
3.所定の算出方法による再就職後6か月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額を下回ること
就業促進定着手当の受給方法
就業促進定着手当を受給するためには、以下4つの書類をハローワークに提出する必要があります。
・就業促進定着手当支給申請書(ハローワークからダウンロード出来ます)
・雇用保険受給資格者証(新しい会社で雇用保険に加入する事で支給されます)
・就職日から6か月間の出勤簿の写し(事業主が原本証明を行ったものに限ります)
・就職日から6か月間の給与明細又は賃金台帳の写し(事業主が原本証明を行ったものに限ります)