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特定理由離職者とは? 特定理由離職者の条件

会社都合退職により、待機制限無く失業保険が受給される特定受給資格者と、同様の仕組みで失業保険が給付されるのが、特定理由離職者となります。

特定理由離職者の場合、自己都合退職であっても、待機制限を受けず、失業保険の給付が受けられる上、特定受給資格者と同じ期間、失業保険の給付が可能となります。

本記事では、特定理由離職者に関する詳細を解説していきます。

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特定理由離職者とは

自己都合退職であっても、一定の理由・条件を満すことにより、3ヶ月の待機期間もなく、特定受給資格者と同じ条件で失業保険を受給する事が出来る権利。

これが、特定理由離職者となります。

 

では、一般受給資格者でありながら、特定理由離職者となるにはどうすれば良いのか、を解説していきましょう。

まず『会社都合退職の条件』で解説した、会社都合退職に当てはまらなかった方(=自己都合退職)が、特定受給資格者の資格を得るには、雇用保険の被保険者期間が6ヶ月以上であり、かつ以下の条件いづれかを満たしている事が必要となります。

雇用保険の加入期間を満たした上で、下記に解説する条件のうち、いずれかを満たしていれば、特定理由離職者の資格を得る事が可能となります。

 

特定理由離職者の資格を得る条件

1.体力不足や病気を理由とした退職

・体力が不足している

・心身に異常を来してしまった

・視力や聴力が低下してしまった

・ヘルニア等、慢性的な身体の痛みを発症した

これらの理由で、現在就いている業務を続ける事が困難になってしまった場合、それを理由に退社しても特定理由離職者として失業保険を得る事が出来ます。

また上記理由の為、出勤する事が困難になった場合でも、特定理由離職者の資格を得る事が可能になります。

 

ただし、3点注意があります。

1.医師の診断書が必要

前述した理由で業務を続ける事が困難である旨を、医師の立場で証明して貰える診断書を、ハローワークに提出しなければいけません。

診断書を貰う際のワンポイントアドバイスですが、国立病院や総合病院の様な大きな病院ではなく、個人開業医などに診断書を頼んだ方が、こちらの意図する診断書を書いて貰いやすい傾向にあります。

(掛りつけのお医者さんなどがあれば、尚お勧めです)

 

2.配置転換や業務替え

前述した様な理由で退職を告げた場合、中には業務を変えてくれたり、配置換えを行ってくれる職場もあります。

業務を続けられる様、配置換え等が行われてしまった場合は、新たな業務先の業務内容に対し、就業や出勤が困難である事を証明する必要があります。

 

3.就業そのものはできる

理由はどうあれ、失業保険を受け取るためには、すぐにでも就業できる事が必須条件となります。

ですので、健康を理由に退職したとしても、就業できる状態でなければいけません

つまり、現在の業種・業務では仕事を続ける事が難しいが、転職すれば働ける・働く意志があることが重要です。

 

診断書等を発行して貰う際にはこれらを踏まえた上で、働く事全般が出来ないのではなく、現在の職種では続ける事が出来ない、といった旨をしっかりと伝えましょう。

また、健康上の理由で退職し、すぐにでも就業する事が難しい場合は、傷病手当の給付といった方法がありますので、そちらをご参照下さい。

傷病手当金とは? 傷病手当金の受給期間と受給額 ⇒

 

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2.妊娠・出産・育児を理由とした退職

妊娠・出産・育児の場合は、雇用保険への加入期間が半年以上あれば、特定理由離職者として失業保険を受け取ることが可能です。

ただし、妊娠・出産を理由とした退職の場合は他の特定受給資格者の様に、退職後すぐに失業保険を受け取る事は出来ません。

 

というのも失業保険は、「すぐに働ける状態の人」に支給される保険です。

つまり、妊娠・出産のため退職した場合は、「産前6週・産後8週」は仕事ができない期間とみなされ、失業保険が支給されない期間となり、最短でも産後8週が経過し、求職活動を始めないと失業保険の受給が出来ません。

 

その為、妊娠・出産・育児を理由とした退職者には、最短で90日、最長で3年間、失業保険の受給開始を延長する事が出来ます。

つまり、妊娠・出産・育児を理由とした退職の場合は、求職活動が出来る状態になるまで、失業保険の受け取り開始を遅らせて受給する事が可能となります。

 

あまりお得感を感じないかも知れませんが、本来なら雇用保険の加入期間が1年未満の方には、失業保険は支給されません。

雇用保険の加入期間が短く、本来なら失業保険が0円である事と比較すれば、妊娠・出産・育児を理由に退職する事で、後日失業保険を受け取れるのですから、必ず受給する様にしましょう。

 

なお、妊娠・出産を理由に失業保険の受け取り開始を延長する為には、所定の手続きを行い、受給期間延長通知書を受け取る必要があります。

(受給期間延長通知書を受け取らないと、後日失業保険を受け取る事が出来ません)

これについてはハローワークにて説明して貰えるので、退職後まずは近隣のハローワークに向かい、失業保険の延長手続きを必ず行って下さい。

 

3.家族の事情の急変

・両親のどちらかが死亡し、扶養しなくてはいけなくなった

・両親どちらかが病気を患い、介護しなくてはいけなくなった

・妻(または夫)が病気を患い、介護しなくてはいけなくなった

など、近しい家族になんらかの事情が起き、それを理由に現在の仕事を続けられなくなった場合は、特定理由離職者の資格を得る事が出来ます。

 

この他にも、家族や家庭における突発的な事故等で、業務を続ける事が出来なくなった場合は、上記理由で特定理由離職者の資格を得られます。

詳しくはハローワークに相談する事をお勧めします。

 

またこのケースも、看病等を行い、就業する事そのものが出来ない場合、失業保険は受給されません

※ クドいようですが、失業保険を受け取れるのは、就業出来る人のみです

ですが、看病等が落ち着き、あらためて就業が可能になった段階で、失業保険を即支給して貰う事が可能となりますので、ぜひ覚えておいて下さい。

 

4.通勤が困難になった場合

いくつかの条件がありますが、すべてに共通して、『自宅から会社までの往復通勤時間が4時間を越えてしまう』が条件となります。

・結婚による住所変更

・勤務先の移転

・転勤、出向などによる、勤務先住所の変更

・それまで使用していた交通機関が廃止になった

・災害などによる自宅の転居

・配偶者の転勤、勤務先変更による転居

これらにより、往復通勤時間が4時間を越えてしまう為に退職する場合は、特定理由離職者の資格を得る事が出来ます。

 


以上が、特定理由離職者に該当するための条件となります。

雇用保険の被保険者期間が6ヶ月以上あり、且つ上記した条件のどれかを満たしていれば、自己都合退職でも特定理由離職者となり、会社都合退職と同様の条件で失業保険の受給が可能となります。

 

通常、自己都合退職では被保険者期間が1年未満の方には失業保険すら支給されませんし、給付を受けるまでには退職後、3ヶ月間の待機制限が設けられます。

ですが、上記いずれかの条件を満たし、特定理由離職者となれば、雇用保険の加入期間が1年未満でも失業保険が支給され、3ヶ月間の給付制限も免除されます。

 

なお、特定理由離職者の可否を判断するのはハローワークとなります。

特定理由離職者としての受給資格を得る為に、どの様な証明書類が必要となるのか、退職前にハローワークにて確認し、必要となる書類等を集めた上で退職に踏み切る様にしましょう。

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